この曲は彼の三作目のCDアルバム『蜘蛛の刺し傷』(les piqures d’araignee)の中に収録されている曲である。
「蜘蛛の刺し傷」CDの帯 2006年発表。彼の数あるアルバムの中で唯一日本盤がリリースされたものであり、これがCDショップに並べられ、「ヴァンサン・ドレルム 蜘蛛の刺し傷」と日本語で書かれているのを見つけた時、ついに、この日が!と舞い上がったのを思い出す。
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ただ、残念ながら日本ではあまり注目されなかったようで、ほどなく店頭から消え、今はもう普通に手に入れることも結構難しいのかもしれない。
全曲を通してポップで軽快な雰囲気が漂っているアルバムなのだが、彼本来の持ち味であるドラマ性や、時に沈鬱とも感じられるような重厚感などが、このアルバムでは押さえられていて、彼の日本デビュー作としてはこれが適切だったのだろうかと、密かに感じている。
ヴァンサンの詩は、個人的状況や好みをそのまま言葉に入れ過ぎて、日本語に訳しにくいと、いつもぶつぶつ思ってしまう割には、実は私は結構彼の曲が好きらしい。
さて、「そして 君」なのだが。
原題は「déjà toi」(もうすでに 君)という。
軽快で楽しげな曲だと最初に聴いた時から好感度が高かった。
大好きな彼女と少し遠出のデートに出かけた様子を描いた歌なのだが。
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