「人生そのもののために戦うのだ。生きることは美しく素晴らしい。死と同じく生も避けられない。宇宙にある力が地球を動かし育てる。君の中にある力と同じだ。その力を使う勇気と意志を持つのだ。」
もはやカルヴェロは飲んだくれの芸人崩れのおじいちゃんではなく、崇高な哲学者のようだ。こういう言葉を本当に自然に語っていくチャップリンは実に颯爽として素敵で、孫くらいの年齢差のあるテレーズが彼を心底敬愛し、やがてかけがえのない伴侶と思い定めてゆくのも頷ける気がする。
で、物語は感動的に進み、彼の死を持って幕を閉じる。
カルヴェロが舞台の袖で彼女を見守りながら息を引き取っていくことも知らず、観客の拍手の渦に包まれながら彼女は美しく踊り続ける。踊る姿に、この曲が何とも哀切感を待って重なり、映画の幕は閉じる。
テレーズ、愛称テリーであるが、彼女の登場の場面に何度も何度も繰り返し流れるこの曲は、映画のテーマミュージックであり、「テリーのテーマ」と名づけられている曲だ。
作曲は既に述べた通りチャップリンであるが、元々これはメロディーだけが映画のBGMとして流れ、詩はついていない。
では、この歌詞は何なのか?であるが。
元々はなかったのだから、後から誰かが勝手に付けたものということになるのだろう。
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