最後にとっておきのお話を一つ。
「ミミズの恋」
かなわぬ高嶺の花に恋することをフランスでは「ミミズの恋」というのだそうだ。(このことは、以前フランス語学科の恩師F教授から教えていただいた。)
夜中もそもそと、うごめきながらミミズは夜空の美しい月や星にかなわぬ恋をするらしい。・・・
この映画、これまでに何回となく観ていたのだけれど、訳してみるにあたって改めてじっくり観て、一つ新たな発見をしたことがある。
映画の初めのほうで、カルヴェロが舞台でおどけながら歌っている場面があるのだが、何とその歌に「ミミズが恋をした〜〜」というフレーズがあったのだ。なるほど!
言ってみればカルヴェロもミミズみたいなもの・・・だったのか。
「deux petits chaussons」の作詞家のLaurueは「ミミズのありふれた物語」とちゃんと歌詞の中に明記しているから、ならばはずせないと私も自分の詞の中に入れることにした。
こんなのは言わなければわからない勝手なこだわりに過ぎないけれど、うんちくを傾けてみたくなって・・・そのつもりで楽しんで貰えたら大変嬉しいけれど。
アメリカでも「ミミズの恋」という慣用句はあるのだろうか?ミミズの恋の通用する世界分布をいつか調べてみたいと思ってしまう。 |