という調子でずっと続き、「昼もふるふる 夜もふる 雨がふります 雨がふる」と終わる。
「いやでもお家で遊びましょう」という所はまるで今の家籠り生活みたいで思わず苦笑してしまうのだが、「tombe, tombe, tombe la pluie」が日本的メロディーにアレンジされて根底に流れている。
ちなみに、「遊びにゆきたし 傘はなし」に、井上陽水の『傘がない』が思い出された。
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「行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ 君の町に行かなくちゃ
雨にぬれ つめたい雨が 今日は心に浸みる
君の事以外は考えられなくなる それはいい事だろう?」 |
雨が降って、傘がない」のは、学生運動の挫折というこの時代の喪失感と虚脱感の象徴のようにも思われるが、白秋の「雨」は童謡でありながら、そういう薄暗がりのような雰囲気を予見しているようで興味深い。
最後にもう一曲。
矢代亜紀のヒット曲『雨の慕情』(昭和55年阿久 悠作詞)もやはり「tombe, tombe, tombe la pluie」の仲間。
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「雨々 ふれふれ もっとふれ 私のいい人 つれて来い」 |
演歌風な味付けの中で供された曲と言えるかもしれない。
様々に飛躍してしまったが、これからの季節、雨が降り続ける様子、雨音に、音楽と物語を聴き取る感性を磨いてゆけたら楽しいのではと感じている。 Fin
ZAZの歌う原曲です。お楽しみください。
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