歌の主人公の女性は、「地球の外にも生活があることを示す初めての人類になりませんか。火星では、すべてが未知で純粋なのです。」という、火星移住へのお誘いパンフレットの文句に乗せられて、火星にやってきたらしい。
ところが、来てみると、売り文句と実態は全く違って、彼女の世界は狭いバンガローの中だけ。
空気がないので窓は開けられないし、水が充分にないのでビーチで遊ぶこともできない。そんな状態で、もはや帰還することもできず、どうやら5年が過ぎたようだ。
<こんなことなら来なければ良かった。地球に戻りたい。戻ったら一日中あなたと一緒にショッピングモールを歩くのに>そんなことをいつも考えて過ごしている。
でも、引力の関係で、満足に動くこともできないのがここでの現実だ。
<火星は面白くない>
火星には生き物が生息するのではないかという仮説。
火星には水蒸気や酸素も微量だが存在し、他の惑星に比べると、地球に酷似する要素が多いので、条件さえ整えば、人類が暮らすことも可能なのではないかとの学説。・・・昔から、夢や幻想も含めて、火星を巡って様々な議論がある中、『マーズワン計画』のことが頭に浮かんできた。
火星そしてマーズワン計画
『マーズワン計画』とは、・・・宇宙移民を実現しようという計画で、人類が火星に移住し、火星の環境の中で生活基盤を形成するという植民計画のことである。
突拍子もない夢物語のようにしかとらえていなかったのだが、実際にはかなり具体的に計画は進んでいて、オランダの民間非営利団体「マーズワン財団」が2025年からの火星移住計画を目下推進しているのだという。
以下、これを説明したいくつかのサイトから主だった点をご紹介してみたいと思う。
*2011年にスタートし、2014年4月から火星移住希望者を募集したところ、世界から20万人が殺到した。日本人は396人が応募し、既に10人が選ばれている。最終選考後、7年間の訓練を経て、2025年から2年ごとに4人ずつ火星に旅立ち、2033年には計20人が火星に移住する、としている。
*火星から地球に戻る宇宙船を打ち上げるのは技術的に不可能なため、移住者は二度と地球には戻れない、片道切符である。
*火星は地球のすぐ外側に軌道を持つ惑星。地球と比べると直径は約半分、表面積は約4分の1、重力は約40%。平均気温はマイナス43度。火星の大気は二酸化炭素が95%、水蒸気は0.03%、酸素が0.13%である。 |