日本では1995年に発売になったCDアルバム「ゲンズブール・トリビュート95 ゲンズブールに捧げる俺の女達」の中に、永瀧達治氏の訳詞で「ノワイエ(溺れるあなた)」の曲が収録されている。
この訳詞では、溺れてゆくのは40歳の男,それを見ているのは20歳の私・・・・と独自な設定となっているが,ジェーン・バーキンをはじめ,年の離れた若い歌手や女優達と多くの浮名を流したゲンズブールの実像と強く重なった訳詞と言えようか。
2002年のクミコのCDアルバム「愛の賛歌」にも,この訳詞での「ノワイエ」が歌われており,色々なシャンソンライブで時々耳にする「ノワイエ」の歌詞も,ほとんど永瀧氏のもののように思う。
私は原詩の通り,流れてゆくのは女性としたが,やはり曲の印象は随分異なってくる。
ゲンズブールが存命であればなぜこの「la noyée」を未発表曲のままにしたのか聞いてみたい気がするが,フランスでも最近この曲はとりあげられているし,やはり素敵な曲は作者の知らないところで、ずっと生き続けていく生命力を持つのだろうかと,何かとても嬉しくなる。
Fin |