Châteauは、城だが、いわゆるワインシャトー、ワインの醸造所のことも言うから、威風堂々と見渡す限りの丘陵地の葡萄畑の中にそびえるように出現している情景が浮かんでくる。
そういうイメージを重層させているとして、それにしても、母体から誕生する嬰児の比喩といえなくもなくて、なんだかやはりフランス的だという気がする。
c’est ca être pére <それが父になること>というフレーズを、何度もオビスポは曲の中で繰り返している。
こういう決意表明の言葉は、オビスポの、決然と自らの音楽姿勢や創作理念や、更には、人生観を語るきらきらとした眼差しを思い起こさせ、説得力を持って心に入ってくる。
曲の結びもやはり c’est ça âtre pére で締めくくられているのだが、私の日本的感性からすると、この感慨を最も良く伝える言葉は「それが父になること」ではなく、「今日 君は生まれた」であるような気がして、敢えて詩の最後をこの言葉で終えることとした次第である。
生れてくる生命に、訳詞の中の一節を贈りたいと思う。
君は ミレジム とびきりの
葡萄色の十月の風が運んでくれた 素敵なプレゼント
素敵な曲なので、原曲も聴いて戴けたらと思う。
私のイメージにぴったりの映像が付いた、お気に入りのYou Tube。よろしかったらクリックを。
http://www.youtube.com/watch?v=7uW4UMCbv6g
Fin
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